新一万円札(五千円札、千円札)が今年7月3日に発行されるとのこと。
「一身(いっしん)にして二生(にしょう)、一人(いちにん)にして両身(りょうしん)」
という表現は、福沢諭吉が『文明論之概略』の中で日本人は江戸時代までの伝統を生きていると同時に、
明治以降の西洋化をも生きている。
この二つの生を同時に生きていること自体を客観視したものだ。
「一人で二つの人生を生きることができる時、人はその二つを比較できる。比較ができるということは、
知識がより正確になることだ。そんなことは、西洋人にもできないことだ。
なぜなら西洋人は、自分たちの文明しか知らないのだから」と言っている。
また、福沢諭吉は漢文も読み、蘭文にも習熟した。福沢の一身二生とは、今でいう二刀流なのである。
そのオランダ語の翻訳で生計を立てていたが、開国後、横浜へ行ってみると、
そこではオランダ語ではなく英語が使われていた。
オランダ語の知識は役に立たないと認識すると、翌日から英語の先生を探し始め、英語の猛勉強を始める
のである。
その後、幕府の通訳としてアメリカに渡れたのは、福沢は英語に強いと評判になっていたからだ。
切り替えの早さ、思い切りのよさ、見事と言わざるを得ない。
諭吉様と言われていた一万円札、お疲れ様でした。
(参考文献:大嶋 仁 「1日10分の哲学」新潮新書)
明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。
新年早々、石川・能登の大地震や羽田での飛行機事故、小倉商店街の火災等、暗いニュースが
多かったのですが、株価は続伸しているようで明るい話題も欲しいところですね。
さて、今年の1月9日より日本初の税務AI相談チャットサービス「税務相談ロボット」の提供が
開始されたとの報道がありました。
月額1万円で50回まで質問可能とのこと、企業経理担当者や税理士向けのサービスのようです。
人工知能(AI)は専門分野での相性が良いと聞いたことがあります。
膨大なデータから答えを導きやすいようですが、
さてその答えの責任は誰がとるのか?
税理士法に抵触しないのか?
今のところ明確ではありませんが、実務をやっていると結構グレーゾーンの税務相談を受けることが
多いため、その企業の状況などを細かくヒアリングしながら回答しますが、
AIはこのグレーゾーンの質問にどのような回答をするか興味があるところです。
国税庁は11月17日、
「システム導入が難しくても大丈夫!!令和6年1月からの電子取引データの保存方法」
のパンフレットを公表しました。
令和6年1月1日以後に行う電子取引の取引情報に係る電磁的記録については、その電磁的記録を
出力した書面等による保存をもって、当該電磁的記録の保存に代えることはできません。
したがって、災害その他やむを得ない事情または税務署長が相当の理由があると認める事由がなく、
その電磁的記録が保存時に満たすべき要件に従って保存されていない場合は、
青色申告の承認の取消対象となり得ますので、ご注意ください。
※国税庁HP「システム導入が難しくても大丈夫!!令和6年1月からの電子取引データの保存方法」
政府は、終身雇用を前提とした退職金課税の課税制度を見直す方針を打ち出し、
話題となっています。
退職所得課税については、勤続20年を境に、勤続1年あたり控除額が40万円から70万円に
増額されるところ、これが自らの選択による労働移動の円滑化を阻害しているとの指摘があるようで、
この70万円が減額される可能性があるようです。
勤続30年で退職金が2,500万円の場合、一律控除額が年40万円となった場合は45万円手取り額が
減少します。
具体的な制度設計の見直し方法や時期については、年末に行われる税制調査会で論議されます。