Ⓐ商業簿記の本質的な目的は
1.自社を守るための証拠資料
事業者が自ら行う記帳は、商取引におけるトラブルや税務署から自分の会社を
守るための権利なのです。
会計事務所任せでは、証拠能力が低くその後のトラブルに巻き込まれる可能性
が高くなります。
2.経営者への自己報告による健全経営の遂行(倒産防止機能)
1673年フランス商事王令は世界で初めて、国家規模で商人に記帳や決算書の
作成を義務づけたものです。
この法律は「破産時に帳簿を裁判所に提示できなかった者は死刑に処す」
という厳しい罰則が用意されていて、実際に違反者には死刑が執行されたと
いわれています。
当時のフランス政府は「倒産を防止し、逞しく勝ち残る経営には、正しい記帳
と決算書の作成が不可欠である」ことを知っていたのです。
だらしない記帳は破産者の特徴です。
決算書を作成する目的は単に税務署に申告しなければならないからではない
のです。